エンジニアとして技術を磨き続けるだけでは、キャリアの可能性が広がらない

エンジニアにとって技術力が最も重要だと思われがちですが、実際にはビジネスの理解も技術力と同じくらい欠かせません。
技術に加えてビジネスの知識や視点を持つことで、エンジニアとしての成長が加速し、より大きな価値を提供できるようになります。今回は、なぜエンジニアこそビジネスに強くなるべきかを、初級者向けに解説します。

2025-04-14 エンジニア：事業成長にコミットしたい／ビジネスにエンジニアになりたい(中級編)

なぜエンジニアにビジネススキルが必要なのか

技術とビジネスの関係を理解すると、開発の目的が明確になる

エンジニアがビジネスの背景を理解すると、

なぜその技術が必要か
どう活用されるのか

が明確になり、単なるコーディング作業ではなく、ビジネス上の価値を意識した開発ができるようになります。

実際、エンジニアの仕事はプログラミングそのものではありません。プログラミングはあくまで手段に過ぎず、本質的には 利用者の課題を解決し、利便性を向上させ、最終的に利用者を幸せにすること が目的です。

例えば、ただコードを書くのではなく、

「このプロダクトは何のために作られているのか？」
「どうしてこの機能が必要なのか？」

といった ビジネス的な背景 を理解すると、より効果的な技術的アイデアが生まれることがあります。技術はあくまで 価値を生み出すためのツール だと考えると、開発の方向性が一気にクリアになります。

コミュニケーションが円滑になる

ビジネスチームやクライアントと会話する中で、ビジネス視点を持っていれば、技術的な提案の意味や効果を相手にわかりやすく伝えられます。これにより、

プロジェクト進行がスムーズになる
エンジニアとしての評価が高まる

一方、エンジニアが専門用語ばかりで話していると、ビジネスサイドの人々には通じないことが多いです。
専門用語を噛み砕いて、相手に伝わる言葉 で説明するためには、ビジネススキルが欠かせません。コミュニケーションのズレを減らせば、プロジェクトの成果も出やすくなります。

初級者がビジネススキルを身につけるべき理由

キャリアの幅が広がる

技術に加えてビジネスの知識を持つことで、将来的に プロジェクトマネージャー や CTO といったリーダーシップポジションを目指せます。単なるプログラマーではなく、プロダクトの成功に貢献する存在として評価されるのです。

もちろん、プログラミングを極めるキャリアも素晴らしいですが、それは思っている以上に高い難易度が伴います。なぜなら プログラミングは手段の一つに過ぎない からです。
多くの手段 を使って課題を解決できるエンジニアのほうが、より多くのシーンで価値を提供できるので、キャリアの選択肢やチャンスも増えるでしょう。

クライアントやビジネスのニーズに応えられる

ビジネスの仕組みを理解していれば、

クライアントが何を求めているかを深く把握できる
技術的なソリューションをビジネス価値に直結させられる

ただ技術的に優れたものを作るのではなく、「どのようにビジネスに役立つか」を意識することで、エンジニアは単なる作業者ではなく 課題解決者 として信頼されるようになります。
信頼されることで、より重要な仕事や難易度の高いプロジェクトを任せてもらえるようになり、その結果として自分の評価も上がっていきます。

初級者が実践すべきビジネス学習のステップ

基本的なビジネス用語を理解する

まずはビジネスに関わる基本的な用語や概念を学ぶことから始めましょう。

ROI（投資利益率）
キャッシュフロー
マーケティング用語 など

こうした言葉を理解すると、エンジニアリングとビジネスがどのようにつながっているか見えてきます。エンジニアリングもビジネスの一部なので、ビジネス用語を知ることは、あなたが提供する価値をより大きくしてくれます。

プロジェクトの目的や顧客ニーズに目を向ける

最初は大きく構えなくてOKです。

「この機能を作ることで、ユーザーにどう役立つのか？」
「お客さんは何を目指しているのか？」

といった視点を意識するだけでも十分。そこから自然に技術的な選択肢やアイデアの幅が広がり、よりプロダクトに貢献できるエンジニアへと成長していけます。

ビジネス本を読み、視点を広げる

ビジネス書を読むことで、

経営者やマネージャーが どのように事業を運営し、決断を下しているのか
エンジニアとして 何が評価されるのか

といった視点が身につきます。エンジニアリングとビジネスの両方を理解すれば、提案の質が向上し、評価やキャリアにも直結するでしょう。

よくある悩みと対処法

「最新技術の勉強だけで手いっぱいで、ビジネスなんて学ぶ時間がない…」
- 対処法: まずは休憩時間や移動中に、ビジネス関連のニュースや短い記事を読む習慣をつけてみましょう。徐々に慣れてきたら本格的なビジネス書にも挑戦すると、スムーズに学びを増やせます。
「ビジネスって苦手…難しそう」
- 対処法: 難しそうに見えるのは、主に専門用語や概念の壁があるから。最初はごく基本的な用語（ROI、KPI、PLなど）だけでも理解すると抵抗感が減ります。分からない用語を1つずつクリアにしていくことで苦手意識が和らぐはずです。
「周りに学べる相手がいない…」
- 対処法: 最近はオンラインコミュニティやSNSで、他業種の人や経営者と交流する機会も増えています。異業種交流会や勉強会に参加するのも良い方法です。視点が変われば学びも加速します。

僕の経験談

僕は新卒でエンジニアを始めた頃から、技術力だけでなくビジネススキルも重要だと感じていました。

作ったシステムが どうビジネスに貢献するのか
どのような価値 を生むのか

こうした点を理解していないと、なかなか本当の意味で効果的なソリューションが提供できないと思ったんです。
そこで、若い頃から 異業種交流会に参加したり、ビジネス書を読む など、積極的にビジネスの視点を取り入れてきました。

そのおかげで、プロジェクトをリードする場面や、チームをまとめる立場を任せてもらう機会が増え、エンジニアとしての視野も広がりました。技術とビジネスの両方を理解することで、クライアントやビジネスサイドとのコミュニケーションがスムーズになり、より効果的なソリューションを提案できるようになったんです。結果として大きな責任あるプロジェクトを担当し、キャリアが大きく前進しました。