ディープシーク(DeepSeek)は、中国の新しいAI企業が作った、超スゴい人工知能モデル(大規模言語モデル)です。
世界のトップクラスのAI「GPT-4」と同じくらい賢いのに、なんと開発に使ったお金は1%以下、期間もたった2か月! ということで、今みんながざわついているAIなんです。
Contents
1. ディープシーク(DeepSeek)はどれだけすごい?
- 超短期間&低コストで高性能
- 普通なら何千億円や何年もの期間が必要と言われるレベルのAIを、たった2か月・数億円という低コストで作ってしまった。
- この費用感は、従来の1%以下といわれるほど圧倒的に安い。
- 頭の良さもChatGPT4oやClaudeに並び、得意分野においてはDeepSeekの方が勝つことも
- 使うときの料金も激安
- AIを利用するとき、文字数に応じて少しずつお金を払う仕組みが多いけれど、ディープシーク(DeepSeek)は既存のAIの数十分の1~数百分の1 という衝撃の安さ。
- オープンソースで、誰でも改造OK
- ディープシーク(DeepSeek)はAIの仕組みを全部公開しているので、プログラマーなら自分のサービスに組み込んだり、自由に改造ができる。
- 「大企業だけがAIを独占する」状態を崩し、AIを“みんなが使えるもの”に変えつつある。
- 数学やプログラミングに特に強い
- 高校レベルより上の数学問題も、ほぼ一瞬で解いてしまうほど賢い。
- コード(プログラム)も自動で作れる・バグを直すなど、クリエイティブな仕事にも使える。
2. ディープシーク(DeepSeek)のV3とR1
ディープシーク(DeepSeek)にはいくつかバージョンがあり、その中でもV3 と R1 はとくに重要なモデルです。
◇ DeepSeek V3(2024年末に公開)
- 超大規模 + 短期開発
- AIの“脳みそ”にあたるパラメータが、とても大きな数 (GPT-4並み)。
- それを、2か月&約8~9億円という少ないリソースで作り上げてしまった。
- 圧倒的な性能
- 数学、コード生成などのテストで、GPT-4クラスやそれ以上の結果を出したと報告されている。
- ユーザーが使うときの料金も激安。
◇ DeepSeek R1(2025年初めに公開)
- 推論が超得意
- 数学の難題や、論理的な推論問題を解くのが特に強い。
- GPT-4に肩を並べるレベル。
- AIどうしの自己学習(強化学習)がメイン
- “AIがAIに教える”ような仕組みで、限られたデータや時間でもすごく賢くなる。
- 開発途中で「Wait, I just realized something important…(重要なことに気づいた!)」とAI自身が気づきを口にしたエピソードも話題。
3. ディープシーク(DeepSeek)が未来をどう変える?
- AIが一気に普及する可能性
- 今までは「AIを作るにも、利用するにも大金が必要」というイメージがあった。
- ディープシーク(DeepSeek)のように安くて賢いAIが増えれば、個人や小さな会社でも気軽にAIを使って新しいサービスを作れるようになる。
- 結果として、AIを使ったアイデアやアプリが爆発的に増える かもしれない。
- オープンソースが広げる“AIの民主化”
- 大企業の専用モデルではなく、誰でも中身を見て改造できるAIモデルなので、新人エンジニアやスタートアップも積極的に参加できる。
- 多種多様なAIの派生モデルが出てきて、技術競争やイノベーションが高速化 する。
- 価格破壊で他社も値下げ→進化がさらに加速
- ディープシーク(DeepSeek)が格安で高性能を出したので、有料AI(OpenAIやGoogleなど)も対抗して料金を下げたり、性能を上げたりするはず。
- ユーザーにとっては、より安く・より賢いAI がどんどん出てくる流れになりやすい。
- AGI(汎用人工知能)への道
- ディープシーク(DeepSeek)の開発者は、「もし人間を超えるようなAIを作れたら、オープンソースで世界に公開する」と言っている。
- もしこれが実現したら、あらゆる頭脳労働がAIによって大きく変わるとか、新しい学び方や働き方、法律面のルールづくりが必要になるなど、社会全体が大きく変革するかもしれない。
4. 実際に使うときの注意点
- 中国の検閲(回答できない話題がある)
- 天安門事件や共産党批判のような政治的トピックには答えてくれないことがある。
- データが中国のサーバーに送られるリスク
- ウェブ版やAPIを使うと、入力した情報が学習に使われる可能性がある。
- プライバシーや機密情報の入力は避けた方が無難。
- 日本語の精度は英語・中国語ほど得意じゃない
- たまに英語が混じったり、不自然になることがある(改善予定はあり)。
- ローカル版(自分のPC)なら安心
- ディープシーク(DeepSeek)の“蒸留モデル”をダウンロードすれば、オフラインで使うことも可能(ただし高性能なPCが必要)。
5. ディープシーク(DeepSeek)をどうやって使う?
- ウェブ版
- ディープシーク(DeepSeek)の公式サイトでアカウントを作り、チャット画面から1日50回まで無料で質問できる。
- API
- 自作のプログラムからディープシーク(DeepSeek)に質問を送る形。文字数に応じた料金がかかるけど、他社AIと比べると圧倒的に安い。
- ローカル実行(蒸留モデル)
- 「小型に作り直したAIモデル」をダウンロードし、手元のPCで動かす。
- 高性能GPUなどが必要だが、プライバシー面など安心して使える。
6. まとめ
ディープシーク(DeepSeek)は、
- 「短期間・低コスト」 で
- 「GPT-4レベルの頭の良さ」 を実現し、
- 「オープンソースで世界に開放」 している
という、“AIの未来を変えそうなモデル” です。
- 数学やプログラミングなど、頭脳系タスクに特に強く、
- 利用料金がとても安いので、多くの人や企業が採用しやすい。
- さらに「世界中の誰でもAIを改造できる」という自由さが、次の大きなブレイクスルーを起こすかもしれません。
一方で、
- 中国製ゆえの検閲やデータの取り扱い
- 日本語など多言語対応がまだ本調子でない
などの課題も残っています。とはいえ、業界トップクラスのAIがほぼ誰でも使える形で登場したインパクトは計り知れません。
「AIは大企業のもの」 という時代が終わり、
「安く・気軽に・自分の手元で」AIを動かす 時代が始まったとも言えるでしょう。
これからディープシーク(DeepSeek)は、
- 後継バージョン「R2」や「V4」の開発、
- 強化学習を活かしたさらなるブレイクスルー、
- いずれはAGI(人間並みかそれ以上の知能を持つAI) へのアプローチ
など、ますます進化していくと予想されています。
そんなディープシーク(DeepSeek)の行方を追いながら、私たちもAIが当たり前に存在する未来に備えていきましょう。
「安くて賢いAI」が普及することで、仕事のしかたや学び方、そして社会の形そのものが、どんどん変わっていくかもしれません。
引用:
